お客様のお困り事
ポンプケーシングの内部が長年のエロージョン(流体摩耗)により摩耗が発生しているので、それを修復しつつ、長寿命化したいとご依頼いただきました。
問題点
① 新品を購入すると高価である。羽根車を含めた駆動ユニットは問題なく使用できる。
② 一週間ほどしか装置を止められない
③ 完全な形状復元は必要ではないが、摩耗箇所はできる限り肉盛再生したい。
蒲田工業からのご提案内容
ケーシング内部への超硬合金溶射による肉盛再生を提案しました。
膜厚:300μ程度。 摩耗箇所を復元しつつ、今後エロージョンが進展しないよう表面処理を施します。 事前に分解メンテナンスを実施するタイミグで摩耗状態の調査を実施。
ポイント
① 高硬度(HV1200程度)且つエロージョンに強い超硬合金を溶射にて施工。
② 事前にマスキング治具作成、工程調整を行うことで短納期を実現。
③ 溶射方式は特に高密度、高付着力、高硬度を実現する高速フレーム溶射(HVOF)方式を選定。
④ 必要のない部分はマスキングすることで、トータルコストの低減を図る。(高価な溶射材料を用いる時に有効)
※ 超硬合金とは、タングステンカーバイドを主とした耐摩耗性に優れた合金です。切削工具などに多く使用されます。
※ 形状復元を完全の行いたい場合は、低温溶接による肉盛再生との複合処理も可能です。
今回の事例ではエロージョンの進展防止が主目的でしたので、溶射のみ行いました。
>> 超硬金属溶射の詳細はこちらをご覧ください
解決した内容、お客様の声
目視でも摩耗部の修復が確認できました。羽根車との干渉を懸念していましたが、歪みなどもなくクリアランスも規定通り確保できています。溶射処理部の研磨仕上がりもきれいで、非処理部との境界も段差なく施工出来ました。
お客様の声
「取付け・稼働開始しての初期不良は発生しなかったので、今後経年劣化がどれぐらい抑えられるかじっくり観察していきます」
蒲田工業がご提供できる価値
お客様の設備にご利用できる様々な種類の表面処理をご用意しております。耐摩耗・腐食・滑り・耐熱・通電性などの必要な特性に合わせてめっき・樹脂系・無機系・ゴムライニング・塗装など最適な処理をご提案します。
溶射に関しては、引き取りした上で工場施工するだけでなく、分解が難しい大型ロールなどには現地施工も承っています。